EDを正しく理解して治す!
勃起不全・勃起障害のすべてを秋葉原のメンズクリニック院長が解説
はじめに
当院(ビクアスメンズクリニック秋葉原)ではED治療薬・低出力衝撃波治療など、
専門的な ED ( 勃起不全 / 勃起障害 )治療を行っていますが、診察をしていて思うのは来院までに自分で調べて、
出来ることを試されている方が意外と多いということです。
今は情報も多く、的外れなことをしている方は少ないですが、
中には独創的な方法でED(勃起不全)を悪化させてしまいそうな方もいます。
ED(勃起不全)治療については、特に初めてのカウンセリングに抵抗がある方もいると思いますので、
まずはED(勃起不全)やED治療について正しく理解していただき、
ご来院をためらっている方のお力になれればと思います。
著者紹介
植木 健太郎
ビクアスメンズクリニック 院長
日本形成外科学会認定 形成外科専門医
2011年に福岡大学医学部を卒業し、同大学病院で研修医としてキャリアをスタートしました。その後、形成外科領域での専門性をさらに深めるため、多くの医療施設で勤務しました。2020年に大手美容外科へ移った後、2022年にはビクアスメンズクリニック秋葉原を開院し、現在に至ります。
詳細な経歴等はこちらをご覧ください。
日本形成外科学会認定 形成外科専門医資格を持つ私は、日本美容外科学会(JSAPS)や日本抗加齢医学会へ所属しており、一人ひとりの患者様と真剣に向き合う治療提供へ努めております。
患者様とのカウンセリングから治療までの全過程に深く関わり、患者様が完全に納得するまで何度も話し合い、高い満足度を提供することに尽力しています。
特に、術後のイメージを明確にすることに重きを置き、手術が終わった後も終わりではなく、「美のかかりつけ医」として患者様と一生涯を通じてお付き合いさせて頂くことを目指しています。
目次
- はじめに
- 著者紹介
- ED(勃起不全)って病気?
- ED治療は保険適応?
- あれ?これってED(勃起不全)?
- 生活習慣でEDは改善できる?
- ED(勃起不全)に効果的なトレーニングやマッサージは?
- ED治療薬の種類は?
- EDを治療する機器にはどのようなものがある?
- 治療薬や治療機器以外にも、EDの治療法はありますか?
- EDに関するよくある質問
- まとめ
ED(勃起不全)って病気?
ED(勃起不全/勃起障害)とは、Erectile Dysfunctionの略で、挿入できても最後まで勃起を持続できない状態(いわゆる中折れ) や、
性交時に挿入できる程度まで勃起できないことを指します。
常に全く勃起できない重症のタイプからたまに勃起できない軽症のタイプまでありますので、
EDは全く勃起しなくなった状態ではなく、勃起が十分でないために満足な性行為が行えない状態をさします。
勃起のメカニズムとしては、まず性的刺激や大脳からの信号を得て、陰茎に行く神経が、ペニスの静脈(陰茎海綿体)の筋肉(平滑筋)を弛緩させます。
それにより、血管が拡張して陰茎白膜といった組織の内側に、血液を陰茎海綿体内に一杯にためることで勃起します。
したがって、EDは大きく分けて血管や神経、そして精神的に原因がある場合に起こるとされます。
その原因や疾患としては加齢や糖尿病、脊髄損傷や骨盤内手術等による神経・血管の障害が原因による身体的要因と、
ストレスなどの心理的要因があります。
このように様々な要因でEDを自覚しますが、現代の日本では若い人も少なくありません。
10代~20代は特に心因性が多く、30代~50代では心因性に加齢によるものが追加で増えてきます。
60代~70代では症状性を含め複合的な要因で自覚する人の割合が増加していきます。
勃起力の低下は自然な現象ですが、それによって生活の質が著しく損なわれると本人が自覚し、
治療を必要とするのであれば病気と考えていいと思います。
ED治療は保険適応?
2022年4月より、ED治療薬のバイアグラ・バイアグラOD錠・シアリスは一部保険適応が可能となりました。
ただし不妊治療に関してのみとなりますので、性行為を目的とする多くの方は自費治療となります。
保険適応の場合も下記の7つの条件すべてあてはまらなければいけません。
- 担当する医師は泌尿器科で5年以上の経験がないと処方できない。
- 日本泌尿器科学会が作成したED診療ガイドラインの診断に基づき、EDと判断された患者が対象。
- 処方量は1回の診察で4錠まで(タイミング法における1周期分に限る)
- 初期投与から6ヵ月を目安とする。継続には必要性が検討され1年が上限となる。
- 処方箋の備考欄に保険診療であることを明記すること。
- 処方される患者またはパートナーが、服用から遡り6ヵ月以内に一般不妊治療管理料や
生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること。 - 他の医療機関で不妊症に係っている患者に対し、紹介を受けてED治療薬を投与する場合は、
紹介元の施設と連携し必要な情報を共有する必要がある。
このように患者側にも条件がありますが、受診する病院側にも条件がありますので、
受診する前にしっかりと確認する必要があります。
保険適応となるのは、バイアグラ・シアリスなどの先発品のみですが、
自費治療であれば先発品よりも安価で購入できるシルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルと
3種類のジェネリック医薬品が販売されているので、こちらも検討してみてください。
あれ?これってED(勃起不全)?
- たまに射精するところまでできない
- 疲れているのか、中折れするときがある
- 遊びに行くと大丈夫だが、パートナーとするときは調子が悪い
日による不調が最初の自覚ポイントになっている方が多いので、
受診された方の声として急に調子が悪くなったという方がほとんどです。
ですが、予兆はもっと前からはじまっています。
基本的には若いころに比べて勃起時の硬さが落ちてきますが、中折れや挿入できない状態までは
気にされない方が多いので、気づいたときに急に調子が悪くなったと思ってしまう方が多いのだと思います。
硬さの変化を感じた時には、勃起硬度測定評価EHS(Erection Hardness Score)という簡便な問診票が
海外で開発され日本でも翻訳されて使われていますので、自己評価に使ってみて下さい。
勃起硬度測定評価EHS(Erection Hardness Score)
グレード0:陰茎は大きくならない、
グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない、
グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない、
グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない、
グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している
またセルフチェックには、IIEF(International Index of Erectile Function、国際勃起機能スコア)と言われる質問票が一般的に使われています。
IIEFをより簡便化した問診票(SHIM)として5つの質問に絞ったIIEF-5があります。
勃起を維持する能力や満足度などを総合的に判定することで、簡単にEDの可能性を探ることができるものです。
ぜひ、この機会にご自身の症状をチェックしてみましょう。
国際勃起機能スコアIIEF-5(International Index of Erectile Function)
下記のチェックリストはED(勃起不全)に関係があるものです。
この6ヶ月のご自身の状態について、当てはまるものをそれぞれ選んでください。
①勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか?
非常に低い | 1点 |
低い | 2点 |
中くらい | 3点 |
高い | 4点 |
非常に高い | 5点 |
②性的刺激によって勃起した時、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか?
性的刺激はなかった | 0点 |
ほとんど、又は全くならなかった | 1点 |
たまになった (半分より低い頻度) | 2点 |
時々なった (ほぼ半分の頻度) | 3点 |
しばしばなった (半分よりかなり高い頻度) | 4点 |
ほぼいつも、又はいつもなった | 5点 |
③性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか?
性交を試みなかった | 0点 |
ほとんど、又は全く維持できなかった | 1点 |
たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度) | 2点 |
時々維持できた(ほぼ半分の頻度) | 3点 |
しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度) | 4点 |
ほぼいつも、又はいつも維持できた | 5点 |
④性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
性交を試みなかった | 0点 |
きわめて困難だった | 1点 |
とても困難だった | 2点 |
困難だった | 3点 |
やや困難だった | 4点 |
困難ではなかった | 5点 |
⑤性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか?
性交を試みなかった | 0点 |
ほとんど又は全く満足できなかった | 1点 |
たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度) | 2点 |
時々満足できた(ほぼ半分の頻度) | 3点 |
しばしば満足できた(半分よりもかなり高い頻度) | 4点 |
ほぼいつも、又はいつも満足できた | 5点 |
この問診票は、EDの診断の際に、患者さんの問診の補助資材としてご利用いただけるものです。
この問診票の合計点数が21点以下の患者さんでは、ED(勃起不全)の可能性が高いとされておりますが、疾患の診断に代わるものではありません。
生活習慣でEDは改善できる?
1. 食生活
勃起不全の原因の1つである器質性EDは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がきっかけで起こるとされています。
生活習慣病は、食生活の乱れによって起こる場合があるため、
食生活の見直しだけで勃起不全を改善させることは難しいかもしれませんが、
予防や進行を防いだりする効果が期待できるでしょう。
基本的にはバランスの良い食生活が一番ですが、
ED(勃起不全)の方が積極的に取り入れると効果的な栄養素をご紹介します。
亜鉛
亜鉛は男性ホルモンの1つであるテストステロンの分泌を促進します。
成人の体内には約2グラムの亜鉛が存在します。
主に筋肉と骨に含まれますが、臓器や前立腺などにも存在しており、たんぱく質の合成に関係する酵素の材料となっています。
男性ホルモンを生成する睾丸でも重要な働きをしており、精子の形成にも影響しています。
体内で作ることが出来ないので、食事などから摂取する必要があります。
亜鉛を多く含む食材
・牡蛎・レバー・赤身肉・ナッツ類・卵など
DHA・EPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に多く含まれる必須脂肪酸のひとつです。
血小板凝集の抑制や中性脂肪の低下などの効果が期待されています。
血小板の凝集が抑制されることで、ドロドロした血液が溶かされサラサラになり、動脈硬化が防げるので、EDの予防や改善に期待できます。
バランスよく摂取できていれば、血液はサラサラになり、肥満や脂質異常症の予防になります。
これらも体内でほとんど合成されない栄養素なので、食べ物やサプリメントで摂取する必要があります。
DHA・EPAを多く含む食材
まぐろ・さんま・さば・いわし・あじ・かつお・ぶりなど
シトルリン
体内にも存在するアミノ酸のシトルリンは、疲労回復や血流促進に役立つ成分です。
シトルリンには疲労回復や筋肉増強、美肌効果など様々な作用がありますが、
主な作用は血管を拡げしなやかに保つというものです。
この血管拡張作用により、勃起時の硬さに効果が期待できます。
シトルリンを多く含む食材
すいか・きゅうり・メロンなど
アルギニン
勃起は一酸化窒素(NO)が生成され、血管が拡張し陰茎(海綿体)に入る血液量が増加して起こります。
アルギニンを摂取することで、この一酸化窒素(NO)の生成が促進されることでED(勃起不全)の改善に期待が出来ます。
アルギニンは天然に存在するアミノ酸のひとつで、体内でグルタミン酸から生成されますが、健康を維持するためには生成量は十分とはいえず不足分を補う必要があります。
またオルニチンと一緒に摂取することで運動効率の改善により期待できます。
アルギニンを多く含む食材
大豆・マグロ・卵・うなぎ・ニンニクなど
カルニチン
カルニチンとは身体のほぼすべての細胞に存在して、燃焼されてエネルギーとなってくれる成分です。
カルニチンは脂肪を燃焼させエネルギーを産み出す働きがあるため、体脂肪の減少効果につながっているとされています。
体脂肪が減少するということは体重が減少することにもつながるため、生活習慣からくるED(勃起不全)の予防に期待が出来ます。
またカルニチンには男性ホルモンの1つであるテストステロンのはたらきを活発にする効果もあるため、活力アップに期待ができます。
カルニチンを多く含む食材
羊肉・鳥レバー・牛肉・豚肉など
サプリメント
取るべき栄養素が分かっても、年齢と共に食が細くなって量が食べられなかったり、
忙しさなどで食事の回数が減ったりなど、完璧にバランスを取るのは難しいと思います。
そんな時は栄養補助食品として、サプリメントを効果的に取り入れてバランスの良い食生活を目指しましょう。
ただし取りすぎは良くありませんので、足りない栄養素を補う形で取り入れてください。
ここまで取り入れた方が良い栄養素や食材をご紹介しましたが、逆に控えた方が良い食事もご紹介します。
先に説明したように、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がきっかけとなるED(勃起不全)も多いので、
『これは太りそうだな』『味が濃いな』『こってりしているな』
と思うような食事・食品の過剰摂取は控えましょう。
高カロリー
高カロリーな食事を続ければ、肥満になる可能性が高くなります。
肥満がED(勃起不全)につながる可能性があるので、1日あたりの推定エネルギー必要量を意識した食事量を心がけましょう。
高カロリーな食事の例
ジャンクフード・カップ麺・スナック菓子など
高脂肪
高脂肪な食事ばかりを続けていると、肥満・高血圧・糖尿病・動脈硬化を引き起こす可能性が高くなりますので、摂取量に注意してください。
高脂肪な食事の例
揚げ物・マヨネーズ・バター・生クリームなど
高塩分
塩分が多い食事を取り続けると、高血圧に繋がり、動脈硬化と一緒にEDを合併する可能性がありますので、こちらも食べ過ぎないようにしてください。
高塩分な食事の例
味噌汁・お漬物・ラーメンなど
2. 適度な運動
ED(勃起不全)に悩まされている人の中には、頑張って筋トレしている方も多いと思います。
運動は効果的ですが、ED(勃起不全)にとって無理なトレーニングは逆効果になる可能性もありますので、
鍛える筋肉を理解して適度な運動を心がけましょう。
また運動不足は、肥満や動脈硬化を引き起こす可能性が高くなりますので、
生活習慣病を予防するためにも、ウォーキングなど基本的な運動やストレッチも大事です。
鍛えるべき筋肉
1. 肛門の筋肉【球海綿体筋・恥骨尾骨筋】
恥骨尾骨筋・球海綿体筋は肛門近くにある筋肉であり、勃起と関わりがあるとされています。
球海綿体筋はペニスに血液を送り、射精をコントロールする役割を担っています。
恥骨尾骨筋はペニスの根本を締め付け、流れてきた血液を留める作用があります。
これらの筋肉が衰えると、陰茎に血液を蓄える機能が正しく機能しなくなる可能性があるので注意が必要です。
2. 太ももの筋肉【大腿四頭筋・大腿二頭筋】
体のなかで最も体積が大きいふとももの筋肉は第二の心臓とも呼ばれ、
全身に血液を送り出す働きのある部位です。
大腿四頭筋を鍛えることで全身の血流がよくなるため、当然ペニスへの血流も増加し
テストステロンの増加も期待できます。
3. お尻の筋肉【大臀筋】
大臀筋はお尻のなかで最も大きい筋肉で、股関節の動きをサポートする役割や
太ももの筋肉と同じように血液を送る役目があります。
また、お尻周りには下半身の太い血管や血流をコントロールする神経なども通っており、
鍛えることで血流が増加し勃起力の向上に期待できます。
3. 入浴
入浴をシャワーだけで済ませる人も少なくないと思いますが、
湯船で体を温めることで血管拡張作用がありますので、無理なく正しい入浴をおすすめします。
湯船で体を温めることは有効ですが、熱めのお湯(42℃以上)は交感神経を刺激してしまうことで血管が収縮します。
また深く張った湯船では末端の血管が水圧で収縮してしまい、血管拡張作用を妨げてしまうので、
なるべく浅めに張った40℃-41℃のお湯に15分程度の入浴を心がけましょう。
4. 睡眠
健康において、良質な睡眠は非常に重要な役割を果たしています。
その一方で、睡眠不足や睡眠障害は、ED(勃起不全)に影響を及ぼす可能性があります。
身体の疲労を回復させるには、睡眠による休息が欠かせません。
寝不足が慢性化すると疲労が十分に解消されず、勃起力を含むあらゆる身体機能の低下に繋がります。
また、睡眠中にはテストステロン(男性ホルモン一種)が積極的に分泌されますが、
睡眠不足の状態では分泌量が低下してしまいます。
テストステロンは性欲を始めとした精神面にも影響を与えますので、適切な睡眠が重要になります。
5. 喫煙・飲酒
健康のために、禁煙や過度なアルコール摂取の防止に努めている方も多いかと思いますが、
ED(勃起不全)の観点からもやめる事が推奨されます。
喫煙によるリスクは様々ありますが、中でも大きな影響をうけるのが血管です。
ニコチンが血管を収縮させることで血圧が上昇し、動脈硬化が進むことで勃起への影響も大きくなります。
飲酒についてはリラックス効果もあるため、適量のアルコール摂取であれば勃起をサポートしてくれる
可能性はあるかと思います。
しかし過度なアルコール摂取は中枢神経に影響を与え、脳からの性的刺激も伝わりづらくなることで
勃起力を低下させる可能性があります。
また慢性的なアルコールの過剰摂取になると、生活習慣病のリスクが大きくなりますので
飲みすぎには注意しましょう。
習慣になってしまっている喫煙や飲酒を無理やりやめようとすることで、大きなストレスを感じ、
ED(勃起不全)にとっては悪影響を及ぼす可能性もありますので、病院での禁煙外来なども活用し、
無理なくコントロールしていくことが大切です。
ED(勃起不全)に効果的なトレーニングやマッサージは?
ケーゲル体操(骨盤底筋体操)
産婦人科医が考案した方法で、医師の名前からケーゲル体操と呼ばれています。
排尿時に肛門をギュッと締めてみてください。おしっこが止められると思います。
これが骨盤底筋群の収縮した感触です。なるべくお腹には力を入れないようにします。
排尿が止められる感触が解ったらトレーニング開始です。
ケーゲル体操(骨盤底筋体操)のやり方
- 仰向けで肩幅まで開脚します
- 息を吸いながら、肛門から尿道を意識しながら5秒間締める
- ゆっくりと息を吐きながら5秒間緩める
これを10回繰り返して1セットになります。
上記の流れで1日3~5セットを目安に行いましょう。
仰向けが一番リラックスして行いやすいと思いますが、姿勢に縛りはなく立ったままや椅子に座りながら、
うつ伏せで肘をついた姿勢などご自身で取り入れやすい姿勢で取り入れてみてください。
有酸素運動
筋トレに限らず、運動自体がED(勃起不全)の予防や機能向上に期待ができます。
適切な運動によりED(勃起不全)の予防に効果的な筋肉を鍛えられるのもありますが、
有酸素運動を習慣化することで、ED(勃起不全)のきっかけになりうる生活習慣病の予防にも役立ちます。
ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳などの有酸素運動は、血流改善に効果を発揮し、
ED(勃起不全)のリスクの低減に期待できます。
ただしやりすぎはED(勃起不全)の観点からは、マイナス面もありますので注意が必要です。
スポーツタイプのような細いサドルに長時間乗る事で、勃起にかかわる血管・神経が通る会陰部が圧迫されてしまうので、
乗車中はペニスへの血液循環が悪くなります。
休憩をうまくとって、一度に2時間を超えるような乗り方は避けた方が良いでしょう。
ランニングも月に200㎞以上になると、テストステロンが低下してしまう可能性がありますので、
毎日走る方は6㎞を目安に行うようにしてみてください。
基本的には週に数回、適度な強度での有酸素運動を継続的に行うことが重要です。
ED治療薬の種類は?
バイアグラ(シルデナフィル)
ED薬の中で一番知名度の高いものがこのバイアグラ錠(シルデナフィル錠)です。
バイアグラは日本を含め世界中で使用されているED治療薬です。
有効成分シルデナフィルが血管拡張を促進する作用があり、勃起しやすい状態にしてくれます。
レビトラ(バルデナフィル)
レビトラは、バイエル薬品株式会社が日本国内で製造する勃起不全の国内で2番目に承認されたED治療薬です。
有効成分バルデナフィルが血管拡張を促進する作用があり、勃起しやすい状態にしてくれます。
服用から候か発現までの時間が短く、また長期の服用でも安定した効果が得られるのが特徴です。
シアリス(タダラフィル)
海外ではED薬の中で一番服用されています。
国内正規品は日本イーライリリーから日本新薬へ販売移管しております。
有効成分タダラフィルが血管拡張を促進する作用があり、勃起しやすい状態にしてくれます。
36時間にわたり効果が持続するため、服用のタイミングを計る必要もなく、また高脂肪食に影響されることもありませんのでいつでも行為が可能です。
主なED治療薬の特徴まとめ
薬剤名 製薬会社 | バイアグラ ファイザー製薬 | レビトラ バイエル薬品 | シアリス イーライリリー社 |
主な特徴 | 知名度は抜群、世界的ED定番薬。 バイアグラしか使ったことがない人も多い。 | 早く効き、副作用が少ない。 発現までが早いので、急な予定にも対応しやすい。 | 作用時間が長く、副作用が少ない。 服用後の自由度の高さが人気の理由。 |
食事の影響・ 効果の発現時間 | 食事の影響を受ける。 食後1時間以降に服用。 30~60分で効いてくる。 | 食事の影響を多少受ける。 食後30分以降に服用。 15~30分で効いてくる。 | 食事の影響なし。 食前でも服用できる。 30~60分で効いてくる。 |
作用時間 | 2時間~6時間 | 2時間~6時間 | 24時間~36時間 |
容量・料金 (すべて税込) | 25㎎/1錠1,980円 25㎎/10錠15,400円 50㎎/1錠2,200円 50㎎/10錠17,600円 | 10㎎/1錠2,200円 10㎎/10錠17,600円 20㎎/1錠2,750円 20㎎/10錠22,000円 | 10㎎/1錠2,750円 10mg/10錠22,000円 20㎎/1錠3,300円 20㎎/10錠26,400円 |
ジェネリック名 (主成分・効果は同等) | シルデナフィル50㎎ 1錠/1,100円 10錠/9,900円 | バルデナフィル20㎎ 1錠/2,750円 10錠/22,000円 | タダラフィル20錠 1錠/2,750円 10錠/22,000円 |
EDを治療する機器にはどのようなものがある?
ED低出力衝撃波治療は、海綿体の毛細血管を再生することで勃起を改善していく治療となります。
低出力の衝撃波を陰茎海綿体に照射して、毛細血管の再生を促します。
新生血管を増やすことで、海綿体への血液の流入を促進させ、勃起障害を改善へ導きます。
低出力の衝撃波を血管に照射することで、新しい血管が形成されるプロセスは以下となります。
まず、衝撃波の照射によって血管が揺さぶられ、細胞の内外で反応が引き起こされます。
その結果、新しい血管を形成するために必要な細胞増殖因子が放出され、増殖性の細胞核が生成されます。
このプロセスを経て、最終的に新しい血管が生成され、血管のネットワークが拡大されます。
ED-MAX
「ED-MAX」は、陰茎部分に低衝撃波を与え、勃起不全を改善する治療機器です。
陰茎部分の血管新生を促すことで、EDの根治が期待できます。
動物の組織は、低衝撃波を持続的に受けることで活性化することが明らかになっており、これは陰茎も例外ではありません。
専用の機器(プロープ)を陰茎に当て、低衝撃波を与える施術となります。
切開といった外科的な治療が必要ないため、痛みをほぼ全く発生させずに治療を進めることが可能です。照射後、陰茎部分が厚く感じることがありますが、これは低衝撃波により血管が拡張したために起こるものです。これは効果が出ていることを意味する為、心配する必要はありませんので1日~2日で治まります。
治療薬や治療機器以外にも、EDの治療法はありますか?
PRP(多血小板血漿)療法
治癒過程には、血液の中に含まれる血小板が重要な役割を果たしております。
PRP療法は、この自分で自分を治す力(自己治癒力)をサポートする治療法です。
自分の血液を採血し、特殊な技術を用いて血小板が多く含まれる部分のみを抽出し、自己PRPを作成します。
低出力衝撃波治療の施術後にPRP療法を行うことで、治療効果の促進が期待できます。
ICI療法【陰茎注射】
ICI療法は、患者様ごとに調整した薬剤【プロスタグランジン】を陰茎に直接注射することで勃起を促す治療法です。
副作用がほとんどなく、持病がありED治療薬が服用できない方でも使用することが可能です。
※当院では、現在ICI療法は行っておりません。
EDに関するよくある質問
『来院までに自分で調べて、出来ることを試されている方が多い』とありますが、
一般的にどのような自己治療が試みられがちで、それによるリスクは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
やはり筋トレや生活習慣の改善が多く、悪化させている方は少ない印象です。
多くはないですが、通販などで買った器具やサプリメント。
個人輸入の薬を使っている方がいらっしゃいます。
使い方や効果が不透明な器具は、症状を悪化させる可能性があります。
海外からの個人輸入は輸入元や入っている成分が、不透明なものは健康被害を起こす可能性もありますので、
服用の中止を促しています。
EDの様々な原因(心因性、器質性、生活習慣等)があるということですが、
これらの原因を特定するためにはどのような診断プロセスが必要ですか?
特定する事は難しい部分がありますので、すべての患者様に対して時間をかけた診察・カウンセリングを心がけています。
ED治療を始める際に、医師に伝えておくべき重要な情報は何でしょうか?
通常の病院受診と同じと考えていただければと思います。
健康状態・EDの状況・持病・内服薬などその他現状の悩みなどは、診察時に詳しくお伺いいたします。
ED治療薬の保険適応について、
不妊治療を目的としていない場合の具体的な自費治療のコストはどれくらいですか?
ED治療薬の場合は1錠/数百円~2千円程度、ED低出力衝撃波治療は1回/数万円程度になります。
なお、ビクアスクリニック秋葉原のED治療・ED薬処方の料金表はこちらになりますので、合わせてご覧ください。
診察後、カウンセリング時に総額のご説明をいたします。
ケーゲル体操の効果が現れるまでには、どのくらいの期間が必要でしょうか?
継続することが大事ですので、期間を意識せず行っていただきたいですが、3ヵ月が目安になると思います。
記事中で紹介されているED治療薬以外に、効果が期待できる治療法はありますか?
当院でED治療薬はとても有効な治療ですが、内服していないときの症状を改善していくことは難しい場合が多いです。
根本治療として、当院では低出力衝撃波治療をお勧めしております。
ED治療薬を服用する際に、注意すべき副作用にはどのようなものがありますか?
副作用としては、鼻づまり・充血・動悸・頭痛などがあります。
ED治療薬と他の薬との飲み合わせで、避けるべき組み合わせはありますか?
たとえば、心臓病や高血圧等の他の持病がある場合などです。
すべてのED薬は、狭心症や心筋梗塞の治療に使われる硝酸剤が禁忌となります。
【バイアグラ(シルデナフィル)の併用禁忌薬】
・不整脈薬の一部(アンカロン等)
・肺高血圧症薬の一部(アデムパス(リオシグアト))
【レビトラ(バルデナフィル)の併用禁忌薬】
・不整脈薬の一部(リスモダン・キニジン・アジマリン・アミサリン・シベノール等)
・水虫内服薬の一部(イトラコナゾール・イトリゾール等)
・抗ウイルス薬の一部(HIV治療薬・インビラーゼ・カレトラ・クリキシバン・ノービア等)
・チクロトーム阻害剤(リトナビル・インジナビル等)
その他に降圧剤など使用上の注意が必要な薬もありますので、持病がある方は必ずお薬手帳をお持ちください。
まとめ
ED(勃起不全)に効果的なことをご紹介してきましたが、どれも即効性があるものではなく、継続して行うことで、進行予防や緩やかな改善が主な目的になりますので、ED治療を開始した後も続けて行っていただきたいです。
生活改善を並行して行うことで、ED治療の効率を高めることができますので、少しでも症状が出ている方は早めの受診をお勧めいたします。
一度でも性行為を失敗すると、「次もダメかも」と心理的不安で負の連鎖になってしまう方も少なくありません。
また「男として恥ずかしい」「相談に行くのが不安」などの理由でなかなか治療に踏み切れない方も多いと思います。
ですがED自体は原因も多岐にわたり、かつ誰にでも起こりうるものです。
色々悩むより、まずは専門家に相談してみてください。
当院ではED治療経験豊富な男性カウンセラーも在籍しています。
経験談なども交えて分かりやすくご説明・共有させていただきますので、お気軽にご相談下さい。
どうしても相談に行くのが不安な方は、LINE相談も行っておりますので、下記のリンクからご連絡下さい。
LINEでビクアスクリニック秋葉原のカウンセラーに相談する(LINEのリンクが開きます)
現在はED治療薬・ICI治療・PRP治療・低出力衝撃波など様々なアプローチでの治療が
受けられるようになっています。
自分にはどんな治療が合っているか、開始するタイミングなども相談できますので、
この機会にぜひ検討してみてください。