ED注射(ICI療法/陰茎海綿体注射)とは|効果・痛み・副作用まで医師が解説

ED注射(陰茎海綿体注射)とは
ED注射(陰茎海綿体注射・ICI療法)とは、陰茎の勃起組織である海綿体に薬剤を直接注射し、血流を増加させることで勃起を促す治療法です。
バイアグラ・シアリスなどの内服薬とは異なり、薬剤が直接作用するため、内服薬で効果が不十分な場合でも改善が期待できます。
特に以下のような方に検討される治療です。
- ED治療薬で効果が得られない
- 糖尿病や神経障害によるED
- 前立腺手術後のED
- 勃起の再現性を高めたい方

ED注射が内服薬で効果が出にくい方に選ばれる理由
ED治療では、バイアグラ・レビトラ・シアリスなどの内服薬がよく知られています。内服薬は服用しやすく、ED治療の第一選択として検討されることが多い治療です。
一方で、すべての方に十分な効果が出るわけではありません。糖尿病、動脈硬化、神経障害、前立腺手術後のEDなどでは、内服薬だけでは十分な勃起が得られないことがあります。
ED注射は、陰茎海綿体に薬剤を直接投与することで血流を促す治療です。性的刺激や神経の働きだけに依存しにくいため、内服薬で効果が不十分だった方にも検討されることがあります。
ただし、ED注射は自己判断で行う治療ではありません。薬剤の量、注射部位、使用間隔などを誤ると、副作用や持続勃起症などのリスクがあるため、医師の診察と指導のもとで行うことが大切です。
ED注射の仕組み
陰茎には「海綿体」と呼ばれるスポンジ状の組織があり、ここに血液が流れ込むことで勃起が起こります。
ED注射では、血管拡張作用のある薬剤(プロスタグランジンE1など)を海綿体に直接注射します。
これにより血管が拡張し、血液が流入することで自然に近い勃起が起こります。
多くの場合、注射後5〜10分程度で効果が現れます。
ED注射の効果と持続時間
効果の特徴
- 内服薬よりも強い作用が期待できる
- 神経に依存しないため重度EDにも対応
- 勃起の再現性が高い
効果が出るまでの時間
注射後、5〜10分程度で勃起が起こることが一般的です。
持続時間
個人差はありますが、30分〜1時間程度持続することが多いです。
ED注射とバイアグラ・シアリスなどの内服薬との違い
ED注射とED治療薬は、どちらも勃起をサポートする治療ですが、作用の仕方や向いている方が異なります。
| 治療法 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| ED治療薬 | 服用しやすく、比較的始めやすい | 軽度〜中等度のED、注射に抵抗がある方 |
| ED注射 | 海綿体に直接薬剤を投与する | 内服薬で効果が不十分な方、重度EDの方 |
| 衝撃波治療 | 血管機能の改善を目的とする | 根本的な改善を目指したい方 |
| カウンセリング・生活習慣改善 | 心因性EDや生活習慣の影響に対応 | ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙などが関係する方 |
ED治療薬は手軽に使用できる反面、服用のタイミングや食事の影響、持病・服用中の薬との兼ね合いを考慮する必要があります。特に硝酸薬を使用している方など、ED治療薬が使用できないケースもあります。
ED治療薬で十分な効果が得られなかった方や、持病・服用中のお薬の影響で内服薬が使いにくい方は、ED注射が選択肢となる場合があります。治療の適応は症状や健康状態によって異なるため、まずは医師にご相談ください。

ED注射が向いている方・向かない方
向いている方
- ED治療薬で効果がない
- 重度のED
- 確実な勃起を得たい
向かない方
- 注射に強い抵抗がある
- 出血傾向のある疾患がある
- 医師が不適切と判断した場合
ED注射を受ける前に確認すべきこと
ED注射を安全に行うためには、事前の診察が重要です。EDの原因は一つではなく、血流、神経、ホルモン、心理的要因、生活習慣、服用中の薬など、さまざまな要素が関係します。
診察では、以下のような点を確認します。
- EDの症状がいつからあるか
- 朝立ちの有無
- 性行為時だけ起こるのか、常に起こるのか
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの持病
- 前立腺手術や骨盤内手術の既往
- 現在服用している薬
- ED治療薬の使用歴と効果
- 注射治療への不安や希望
これらを確認することで、ED注射が適しているか、他の治療法を優先すべきかを判断します。
ED注射治療の流れ
① 診察・カウンセリング
EDの原因や健康状態を確認します。
② 初回投与テスト
院内で注射を行い、効果と安全性を確認します。
③ 用量調整
患者様に適した用量を決定します。
④ 治療継続
医師の指導のもと治療を継続します。
ED注射は痛い?(よくある不安)
ED注射に対して「痛いのではないか」と不安に感じる方は多いですが、実際には極細の針を使用するため、強い痛みを感じるケースは多くありません。
ただし、
- 注射時のチクッとした痛み
- 注射後の違和感
を感じることはあります。
痛みに不安がある場合は、医師にご相談ください。
ED注射のメリット
- 内服薬が効かない場合でも効果が期待できる
- 即効性がある
- タイミング調整がしやすい
- 局所作用のため全身への影響が比較的少ない
ED注射のデメリット
- 注射に対する抵抗感がある
- 注射部位の痛み・内出血
- 医師の指導が必要
- 自己注射に慣れる必要がある
ED注射の副作用とリスク
主な副作用
- 注射部位の痛み
- 内出血
- 陰茎の腫れ
- めまい・ほてり
持続勃起症(プリアピズム)
まれに、4時間以上勃起が続く状態(持続勃起症)が起こることがあります。
この場合は医療機関での処置が必要となるため、速やかに受診してください。
ED注射後に気をつけること
注射後は、注射部位に軽い痛みや違和感、内出血が出ることがあります。多くは一時的ですが、腫れや強い痛み、出血が続く場合は医師に相談してください。
また、以下のような場合は早めの受診が必要です。
- 勃起が4時間以上続く
- 強い痛みがある
- 陰茎の腫れが強い
- 出血が止まりにくい
- めまい、気分不快がある
- いつもと違う症状がある
持続勃起症は、放置すると陰茎組織にダメージが残る可能性があります。持続勃起症は海綿体の線維化を引き起こし、勃起機能に影響する可能性があるとされています。
参考:MSDマニュアル
ED注射で起こりうるトラブルと対処法
ED注射は、陰茎海綿体に薬剤を直接投与して勃起を促す治療です。内服薬で十分な効果が得られない方にも選択肢となる一方で、注射を行う治療である以上、痛み・内出血・腫れ・効果が強く出すぎるなどのトラブルが起こる可能性があります。
多くは一時的な症状ですが、状態によっては早めの受診が必要です。自己判断で様子を見すぎず、気になる症状がある場合は医師に相談してください。
注射部位の痛み・違和感
ED注射後に、注射した部位の軽い痛みや違和感が出ることがあります。多くは一時的ですが、痛みが強い場合や長く続く場合は、注射部位や薬剤量の調整が必要になることがあります。
対処法
軽い痛みであれば経過を見ることが多いですが、強い痛み、腫れ、熱感を伴う場合は医師にご相談ください。次回以降の注射方法や薬剤量を見直します。
内出血・腫れ
注射により、注射部位に小さな内出血や腫れが起こることがあります。特に血液をサラサラにする薬を服用している方や、出血しやすい体質の方は注意が必要です。
対処法
注射後は、医師の指示に従って注射部位を軽く圧迫します。内出血が広がる、腫れが強い、出血が止まりにくい場合は、早めに受診してください。
効果が弱い・十分に勃起しない
初回から必ず十分な効果が出るとは限りません。EDの原因、血流の状態、緊張、体調、飲酒、薬剤量などによって、効果に差が出ることがあります。
対処法
効果が弱い場合でも、自己判断で薬剤量を増やすことは避けてください。医師が効果の出方を確認したうえで、必要に応じて用量や治療方針を調整します。
効果が強く出すぎる・勃起が長く続く
ED注射では、まれに勃起が長時間続くことがあります。特に、4時間以上勃起が続く場合は「持続勃起症」の可能性があり、早急な対応が必要です。
持続勃起症を放置すると、陰茎海綿体にダメージが残り、将来的な勃起機能に影響するおそれがあります。
対処法
勃起が4時間以上続く場合、強い痛みを伴う場合、性行為後も勃起が治まらない場合は、速やかに医療機関を受診してください。自己判断で放置しないことが大切です。
注射部位のしこり・硬さ
同じ部位に繰り返し注射すると、注射部位にしこりや硬さを感じることがあります。注射部位の偏りや、誤った注射方法が原因となる場合があります。
対処法
注射部位は医師の指導に従って適切に変える必要があります。しこりや硬さ、曲がり、違和感がある場合は、次回使用前に医師へご相談ください。
めまい・気分不快
薬剤の作用や緊張により、まれにめまい、気分不快、ふらつきなどが起こることがあります。
対処法
症状が出た場合は無理に動かず、安静にしてください。症状が強い場合や繰り返す場合は、医師に相談し、治療方法を見直します。
感染
注射部位を清潔に保てていない場合、まれに感染を起こす可能性があります。赤み、腫れ、熱感、強い痛み、膿などがある場合は注意が必要です。
対処法
注射前後は清潔を保ち、医師から指導された手順を守ってください。感染が疑われる症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
すぐに受診が必要な症状
以下の症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
- 勃起が4時間以上続く
- 強い痛みがある
- 注射部位の腫れや内出血が広がる
- 出血が止まりにくい
- 陰茎に強い腫れ・赤み・熱感がある
- 膿が出る
- しこり、硬さ、曲がりが気になる
- めまい・気分不快が強い
ED注射は、医師の診察と指導のもとで適切に行うことが大切です。効果が弱い、強すぎる、痛みがあるなどの場合も、自己判断で薬剤量や使用頻度を変えず、必ず医師へご相談ください。
ED注射は危険?安全性について
ED注射は、医師の診察のもとで適切な用量・方法を守って行うことが重要な治療です。自己判断で使用すると、痛み・内出血・持続勃起症などのリスクが高まる可能性があります。
当院では、
- 初回は院内で投与テスト
- 医師による用量調整
- 安全な使用方法の指導
を行い、安全性に配慮した治療を行っています。
ED注射は自分で打てる?(自己注射について)
ED注射は医師の指導のもとで自己注射を行うケースもあります。
ただし、
- 注射部位
- 用量
- 使用方法
を誤るとリスクがあるため、必ず医師の指導を受けたうえで行う必要があります。

ED注射の使用頻度と注意点
ED注射は、基本的には性行為の前に使用する治療です。毎日むやみに使用したり、医師の指示を超えて使用したりすることは避ける必要があります。
使用頻度や間隔は、薬剤の種類、用量、患者様の反応によって異なります。医師から指示された使用方法を守り、効果が弱い・強すぎる・痛みがあるなどの変化があれば、自己判断で調整せずに必ずご相談ください。
特に注意が必要なのは、効果が長く続きすぎる場合です。4時間以上勃起が続く状態は持続勃起症と呼ばれ、医療機関での処置が必要になることがあります。持続勃起症ガイドラインでも、EDに対する海綿体注射後の遷延勃起に対して医療的対応が示されています。
参考:AUA/SMSNAガイドライン
ED注射(ICI療法/陰茎海綿体注射)の料金
| 初診料・再診料 | 初診料:2,200円 再診料:無料 |
| 初回検査代・検査用薬剤代 | 22,000円 |
| ICI療法【プロスタグランジン】 | 1本:11,000円 |
ED注射を検討するタイミング
以下に当てはまる方は、ED注射を選択肢の一つとして検討できます。
- ED治療薬を使っても十分な硬さが得られない
- ED治療薬の効果にムラがある
- 糖尿病や動脈硬化によるEDがある
- 前立腺手術後にEDが続いている
- 性行為のタイミングに合わせて確実性を高めたい
- 内服薬が体質に合わなかった
- 医師の管理のもとで別の治療を試したい
ただし、ED注射がすべての方に適しているわけではありません。出血傾向がある方、抗凝固薬を使用している方、陰茎に強い変形がある方、持続勃起症のリスクが高い方などは、慎重な判断が必要です。
当院のED注射治療の特徴
当院では、ED注射を希望される方に対して、まず診察・カウンセリングを行い、EDの状態や既往歴、内服薬の使用状況を確認します。
初回は院内で投与テストを行い、効果の出方や副作用の有無を確認します。そのうえで、患者様に合った用量や使用方法をご案内します。
EDはデリケートなお悩みですが、原因や症状に合わせて治療法を選ぶことで改善が期待できます。内服薬で効果が不十分だった方、ED注射に不安がある方も、まずは医師にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
何分で効きますか?
5〜10分程度で効果が現れることが多いです。
ED注射は痛いですか?
強い痛みは少ないとされていますが、チクッとした痛みを感じることがあります。
勃起しすぎることはありますか?
まれに長時間持続することがあります。その場合は受診が必要です。
毎回注射が必要ですか?
基本的には性行為の都度使用する治療です。
自分で注射できますか?
医師の指導のもとで可能ですが、正しい方法の習得が必要です。
ED注射はED治療薬より効果が強いですか?
ED注射は、薬剤を陰茎海綿体に直接投与するため、内服薬で十分な効果が得られなかった方にも効果が期待されることがあります。ただし、効果の出方には個人差があります。どちらが適しているかは、EDの原因や体質、持病、服用中の薬などを確認したうえで判断します。
ED注射は誰でも受けられますか?
すべての方に適しているわけではありません。出血しやすい疾患がある方、抗凝固薬を使用している方、陰茎の変形がある方、持続勃起症のリスクが高い方などは慎重な判断が必要です。診察時に健康状態を確認したうえで、治療の可否を判断します。
ED注射はクセになりますか?
ED注射そのものが依存を起こす治療ではありません。ただし、使用方法や使用頻度を守らずに使うことはリスクがあります。医師の指示に従って、適切な頻度・用量で使用することが大切です。
ED注射で自然な勃起に近い状態になりますか?
ED注射は海綿体への血流を促すことで勃起をサポートする治療です。効果の出方や硬さ、持続時間には個人差がありますが、内服薬で十分な効果が得られない方にとって選択肢となることがあります。
ED注射後、性行為はいつから可能ですか?
多くの場合、注射後5〜10分程度で効果が現れることがあります。ただし、初回は院内で効果や安全性を確認し、医師の指導を受けたうえで使用することが大切です。
ED注射はパートナーに知られずに使えますか?
注射を行うタイミングや準備が必要なため、完全に気づかれずに使用できるかは状況によります。使用に不安がある場合は、診察時に生活スタイルや希望をお伝えください。
ED注射で失敗することはありますか?
注射部位や用量が適切でない場合、十分な効果が出ないことがあります。また、緊張や体調、飲酒、基礎疾患の影響で効果に差が出ることもあります。初回は医師の管理下で確認し、必要に応じて用量を調整します。
ED注射とED治療薬を併用できますか?
自己判断での併用は避けてください。作用が強く出すぎたり、副作用のリスクが高まる可能性があります。併用を希望する場合は、必ず医師にご相談ください。
持続勃起症とは何ですか?
性的刺激がない、または性行為後にも勃起が長時間続く状態です。ED注射後に4時間以上勃起が続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。放置すると陰茎組織にダメージが残る可能性があります。
ED注射は保険適用ですか?
当院のED注射は自由診療です。費用については、診察時に治療内容や必要な検査、薬剤費をご確認ください。
ED治療は医師にご相談ください
EDは血流・神経・ホルモンなど様々な要因で起こります。
そのため、症状に合わせた治療を選択することが大切です。
当院では患者様の状態を確認し、適した治療方法をご提案しています。
